プログラミングと大学入試の現状【2018年】

 2020年にプログラミング教育の必修化が決定されるなど、プログラミングが教育の分野にて注目されてきています。プログラミングが今後どのように教育や試験に関わっていくのか気になるところでしょう。

 今回は2018年度の大学入試を見つつ、現在大学入試にてどのような形でプログラミングが用いられているのかをお話しします。

推薦入試・AO入試での採用

 プログラミング教育が未だ必修化されていない2018年現在、プログラミングスキルをそのまま入試に活かすとなると、まず思い浮かぶのは推薦入試です。

 推薦入試の一つ、AO入試は学校長の推薦が要らない入学試験で、学校によっては自己推薦入試や公募推薦入試といった名称が使われます。学校長の推薦が必要ないということは、すなわち学校における評価をそこまで重視していないということになります。学校は文部科学省の学習指導要領に沿ってカリキュラムが組まれています。よって、学校の評価というものはその学習指導要領に記載された範囲の分野から評価されるわけです。

 ですがプログラミング教育が必修化されていない現在、学校でプログラミングを取り扱うところは少なく、ある生徒がプログラミング分野に秀でている場合、そのプログラミング能力は学校の評価にはあまり反映されないわけです。

 このような学校の評価範囲には入らないけれども、優れた能力を有する人を大学側は発掘したいため、AO入試では様々な能力の有無を元に合否が決められます。

 それでは、プログラミングがAO入試に関わる大学を見ていきましょう。

慶應義塾大学

 国内で最初にAO入試を導入した慶應義塾大学では、現在も幅広い分野から優れた人を受け入れるためにAO入試が設定されています。

 プログラミングなど情報分野を志す方には、慶應義塾大学ですと環境情報学部などがあがるでしょう。ではその環境情報学部のAO入試の評価対象とは何でしょうか。

 まず、環境情報学部のAO入試に4つある方式のうち、A方式には「4.学業を含めたさまざまな活動に積極的に取り組み、その成果が次の一つ以上に該当すると自己評価できる者」といった項目があり、このうち「B.外国語能力やコンピュータ技術等の技能において優れており、高度な資格や技術を有している」がプログラミング能力に該当すると言えそうです。

 また、C方式ではA方式の出願資格を踏まえつつ、その上で対象のコンテストにて所定の成績を収めることも合否判断の手掛かりとして認められます。

 そのC方式の対象コンテストにはさまざまありますが、「日本情報オリンピックにて本選Aランク者」、「日本学生科学賞 情報技術にて中央予備審査通過者」、「情報推進機構 未踏IT人材発掘・育成事業にて最終採択者」はプログラミング能力が活かされるコンテストとなります。

 一つ例をあげますと、情報オリンピックでは高校生以下の生徒を対象に行われる科学オリンピックの一つです。数学オリンピックの名称はよくマスメディアにて取り上げられますが、その数学オリンピックも科学オリンピックの一つですね。

 情報オリンピックでは与えられた問題を解くためにアルゴリズムを考え、それに基づいてプログラムを書き、実際にコンピュータ上で実行させ、出力した結果の正しさを競います。使用メモリ量と実行時間に厳しい制限があるため、いかにプログラムをその制限下に適した形にするかといった能力が問われます。

立命館大学 情報理工学部

 立命館大学の情報理工学部ではよりプログラミング能力を持った学生を評価基準にしていることが入試要項からうかがえます。

 2019年度AO選抜 総合評価方式による入学試験要項を見ますと、出願書類に「自分で作成したソフトウェア」とあり、実際に作ったものを合否の評価としています。

東京大学 理学部

 国立大学では推薦入試においてプログラミング能力を評価対象に加えているところもあります。最高学府である東京大学もその一つです。理学部の推薦入試の募集要項には自然科学分野での卓越した能力を有する実績を示す必要があり、その例として「商品レベルのソフトウェア開発経験」といったものがあげられています。

 上記の大学のほかにも、AO入試や推薦入試はその特性上プログラミング能力を評価対象に加えやすいことからまだまだ設けているところはあります。

一般入試

 一般入試にてプログラミング能力を活かすことは現在の制度上かなり難しいためか、あまり例はありません。しかし、AO入試でも出てきた慶應義塾大学環境情報学部は一般入試にも「情報」の科目を追加することで、プログラミングやデータ処理などの知識を持つ人を受け入れようとしています。

これからは一般入試にも広がるか

 実際に2018年時点の入学試験要項を見ただけでも、推薦入試の分野ではプログラミング能力が評価されることが分かりました。しかし、一般入試分野ではまだ多く採用されているわけではありません。

 けれども、政府はセンター試験に代わる大学入学共通テストに情報科目の導入を検討しています。これがプログラミングを一般入試でも評価する対象に加える動きが広がるかが、今後の注目を集めそうです。

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