千里の学習興味から 鈴鹿市の小学校でペッパーを導入

 鈴鹿市は6月21日、小中学校のプログラミング教育の教材として、ソフトバンクグループが開発した人型ロボット「ペッパー」を3台導入したと発表しました。鈴鹿市によると三重県内の公立小中学校では、ペッパーを活用したプログラミング教育の導入は初めてとのことです。

 導入はICT教育モデル推進校となっている市立合川小学校を皮切りに、全ての市立小中学校へ順に回して活用していきます。

 合川小学校学年だより平成30年No.9によると、同校ではすでにペッパーを英語絵本の読み聞かせや児童集会の中で行われた「オリエンテーリング」にて活用したとのことです。

興味を持つことのきっかけに

 ここで生まれる疑問としては、プログラミング教育の教材として導入されたペッパーが、今のところプログラミング教育とは縁の無さそうな英語絵本の読み聞かせなどに使われているところかと思われます。

 ペッパーを導入したところで、小中学校の先生がペッパーを使いこなせるかどうか、といった疑問も沸くことでしょう。

 しかし鈴鹿市の想定する学習事例を見ますと、市としては生徒や先生がプログラムをして、それをペッパーに読み込ませて……といったことはそもそも考えていないことが分かります。

 鈴鹿市が想定する学習事例は「総合学習の時間で、ロボットの活用と未来社会を考える」や「ペッパー本体に組み込まれたアプリを活用し、かけ算やクイズ、ドリル学習に取り組む」とされています。一応、「国語の授業で、ペッパーに俳句を詠ませるプログラミングをすること」も考えられていますが、3つの想定事例のうち2つはプログラミングとはあまり関係のないことです。

 これらのカリキュラムは鈴鹿市の狙いからくるものでした。鈴鹿市長である末松則子市長は「学習は興味をどのように持つか、から始まる。そのきっかけにしてほしい」と毎日新聞の取材に話しています。

第四次産業革命後の世界

 そもそも、今回のペッパー導入は2020年度から実施される小学校の学習指導要領にて、プログラミング教育の必修化が行われることから、その前に論理的思考力を養い、身近な問題解決を主体的に取り組み姿勢を育成するのが狙いです。つまり、このペッパー導入はプログラミング教育必修化が前提としてあります。

 すなわち、プログラミング教育必修化が考えている「第四次産業革命後の世界に対応できるように」という目論見も、このペッパー導入の目論見として見ることができます。

 この「第四次産業革命後の世界」というものは、正確に全てを想定するのは難しいですが、国道沿いに並ぶ回転寿司チェーンにてペッパーが接客をしている光景が全国で見られる今、ペッパーと言わずとも何かしらの人型ロボットが生活に溶け込んでいくことは専門家でなくとも、小中学生でさえ容易に想像できる世界です。

 そういった世界に対応できるよう生徒を育成するならば、学校の空間内をそういった世界に近いものにしていくことは有効な方法でしょう。

 つまり、鈴鹿市は生徒が第四次産業革命後の世界に対応できるよう、小中学校にペッパーを導入することで、学校の中に人型ロボットが溶け込む環境を作りました。なおかつ、人型ロボットを身近な存在とすることで興味を持ちやすくし、情報分野への学習のきっかけとする。あくまで実践的なプログラミング教育が目的ではない、むしろ「人型ロボットが学校に溶け込む環境」を作ることが目的であるため、鈴鹿市は想定する学習事例にそこまで”プログラミング教育っぽい事例”を入れていないのです。

 第四次産業革命後の世界を作り上げた鈴鹿市の小中学校、その中から優れた人材が現れるのが楽しみですね。

(参考)
ペッパーと一緒に勉強 鈴鹿市の学校に今月導入 プログラミング教育を先取り /三重 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180622/ddl/k24/100/111000c

鈴鹿市立合川小学校
http://www.edu.city.suzuka.mie.jp/ai-e/index.html

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