「誰かを助けたい」その気持ちを抱く小学生プログラマーたち

 9月24日、三連休最終日の東京・渋谷にて、小学生のプログラミングコンテスト「Tech Kids Grand Prix」が開催されました。主催はサイバーエージェントが運営する小学生向けプログラミングスクールのTech Kids School。協賛にはミクシィ、東京急行電鉄、グーグルなどの13団体、渋谷区と渋谷区教育委員会が後援しました。

 このコンテストでは、C、C++。Java、Pythonなどのプログラミング言語、もしくはビジュアルプログラミング言語のScratchで作品を開発し、「ゲーム部門」「自由制作部門」のいずれかを選択します。18年4月~7月の期間中に国内外から1019件のエントリーがあり、その中から2次審査を通過した12人が当日、最終プレゼンテーションを行いました。

プログラミング技術の先、プログラミング的思考の先

 プログラミング教育必修化が決まってから、様々な問題点が浮かんでいます。その中で最も深刻なのが「教員のスキル不足」というものです。

 プログラミング教育必修化が何を目的としているのかは今までの記事で解説しました。しかし、文科省が目的とする「プログラミング的思考を育むこと」はプログラムの暗記など、ただ覚えさせるだけでは身につきません。

 だからこそプログラミングを応用する力や実践的な使い方などを習得できるように教えられる教員のスキルが重要なのですが、教員にとってはただでさえすでに業務量がオーバーしている、そもそもプログラミングについて今まで触れたことがないなど様々な事情があります。

 この点に関しては教員向け育成プログラムなど様々な手が打たれています。しかし、たとえプログラミング的思考を育んだところで、それは文科省の目的であり、子供たちにとってはあくまで手段でしかありません。

 手段は目的がなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。ではその目的とは? それについては多くのものがあり、正解はないのでしょう。しかし、今回のコンテストではその「目的」を見つけ出した小学生プログラマーの姿が多く見受けられました。

身近な人に役立つように

 たとえば、吉田択隼さん(10歳、小5)は冷蔵庫にある食材で作れる料理を提案する「たべガチャ」というiOSアプリを発表しました。その目的は、「いつも料理の献立に悩む母を助けたい」というものです。

 また、自由制作部門1位を獲得した菅野晄さん(11歳、小6)は、「祖母が得意な刺繍にて、いつも図案作りに苦労していた」ため、それを助けたいと考えて誰もが簡単に自分の好きな模様や絵などの図案を作成できるアプリ「写刺繍」を作りました。

 企業の社会的責任、CSRというものを聞いたことがある方もおられると思います。企業は利益の追求だけではなく、従業員や消費者、地域社会、環境などに配慮した企業活動を行うべきとする経営理念です。パナソニック創業者の松下幸之助は「企業は社会の公器である」と述べ、企業は自分たちだけでなく、社会全体の利益にも適う必要がある。企業は社会に貢献しなくてはいけないとしています。

 社会貢献という言葉は、漢字四文字で構成されており、なんだかお堅い言葉のように聞こえますが、要するに「みんなの役に立つように」ということです。今回のコンテストではその「みんなの役に立つように」を目的とした子が多く現れました。

 プログラミング的思考を獲得した先の目的、それ自体は先ほど述べたように正解は無いでしょう。ですが、その目的として企業と同じものを選んだ子が多く現れたことに、世界の光を感じざるを得ません。

(参考)
「お母さんを助けたい」 社会課題に向き合う小学生プログラマーたちが集結
https://news.nicovideo.jp/watch/nw3954871

各スクールレッスンで大好評!プログラミング脳を養う「西嶋式プログラミングパズル」

ステムアカデミーキッズ開発者の西嶋孝文氏によって考案されました。このパズルの対象者は小学校低学年~ご年配の方まで、幅広い方々が楽しめます。パズルを通してプログラミング思考を養い、プログラミングの考え方や記号の使い方を学ぶことはもちろん、考える力、論理的思考力、推理力、問題解決力、集中力などあらゆるスキルを身につけることができます。

ぜひ沢山の人に楽しく学んで頂き、これからプログラミングを学んでいくための素地となるパズルになっていけば幸いです。ぜひチャレンジしてみてください。

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※プログラミング脳を育てる「西嶋式プログラミングパズル」(c2019 StemAcademyKids Nishijima Takafumi)は、色・サイズ等を加工してご家庭や個人でご使用いただくことができます。但し、再販売・再配布を禁止致します。また著作権はステムアカデミーキッズ開発者に帰属します。商用利用をご希望の方は、ステムアカデミーキッズ事務局へお問い合わせくださいませ。