子供が「将来就きたい仕事」から垣間見える子供なりの社会

 クラレが2018年3月に小学校を卒業した子供とその親を対象に実施した調査によると、子供が将来就きたい仕事のトップは男子が「スポーツ選手」(22.0%)、女子が「医師」(8.0%)となりました。男子の好きな競技はサッカーが野球を大きく上回り、女子では医師だけでなく、看護師やその他医療関係職の人気が高いとのことです。

 この中で注目なのは()内に書かれた昨年順位から大きく順位をあげた職業です。男子ですと昨年6位であった「エンジニア」が2位に、女子は「デザイナー」が昨年12位から6位まで順位をあげています。クラレによると、男子の「エンジニア」人気について、「AI、IoTが身近になり、20年には小学校でのプログラミング教育必修化が控えている。人型・ペット型ロボットに触れる機会も増えている」と人気の要因を分析しています。

 同じく順位をあげたものですと、男子では「教員」(昨年5位→今年3位)、「会社員」(昨年11位→今年6位)、「公務員」(昨年9位→今年8位)、「警察官」(昨年14位→9位)と、安定した職業の人気も衰えていません。

 女子では「医師」(昨年2位→今年1位)、「看護師」(昨年4位→今年2位)、「医療関係」(昨年11位→8位)と、同じく安定した職業である「教員」(昨年1位→今年3位)や「保育士」(昨年2位→今年3位)なども人気ではあるものの、少子高齢化へと向かう社会を感じ取ってか、医療関係職も強いです。

 少し前時代的な、かつジェンダーに関することも混ざった言葉ですが、「男の子はスポーツ選手、女の子はパティシエが人気」という印象が筆者にはありました。しかし、調査結果を見てみますと男子にとっての「将来の職業」は「スポーツ選手」が22.0%も占め、2位である「エンジニア」が5.8%であることを考えると圧倒しています。対して女の子は、先ほどの安定した職業として医療関係や教員などを除いたとしても、「パティシエ・パン屋」が6.1%、「デザイナー」4.0%、「獣医師」3.6%、「漫画家・イラストレーター」3.2%、「スポーツ選手」3.1%。そもそも1位の医師さえ8.0%ほどの回答しかないことを考えると、女子の「将来の職業」は多様化していることが分かります。

 「エンジニア」職男子2位や、女子での医療関係職の人気、公務員関係職の安定した人気など、昨今の事情や社会を子供なりに感じ取りつつも、女子の「就きたい職業」のバランスのとれた多様化など、自分の興味のある、好きなこともしっかりと芽生えた様子が見て取れる調査結果となりました。

 ちなみにこの調査では「親が『子供に就いて欲しい』と望む職業は?」ということも行われ、男子の親は2年連続で「公務員」が18.6%と大差で1位に、2位は子供と同じく「エンジニア」、3位は「会社員」(8.8%)となりました。女子の親では「看護師」の15.1%がトップとなり、2位は「公務員」(10.1%)、3位は「医師」(7.8%)と、医療職が強い傾向となりました。

 クラレは「女の子の親は、専門知識や特殊なスキルを持った職業に就いて欲しいとの思いがあるようだ」と結論づけています。

 やはり親御さんとなると子供のことは気がかりなもの、できることならば安定した職、また手に職をといった意識が垣間見えますね。

(参考)
子どもが「将来就きたい仕事」、エンジニアや看護師が人気 1位は……?
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1807/02/news114.html