10年に1度改定される日本の学習指導要領。その改訂版が今年から施行されました。
「生きる力」をテーマとし、アクティブラーニングに重きを置いた改定となっていますが、
英語の教科化、プログラミング教育の必修化などは保護者間で話題になっていますね。
既存の教科の中で、個人的に注目した教科が「算数」。
AI,ロボットの活用が当たり前になる時代に、
子供たちにとって重要な教科の1つだと思っています。
学年ごとに変更点がありますが、
その中でもデータの活用や統計に関する学習は以前よりかなり前倒しされ、かつ、掘り下げた内容に改訂されています。
少し踏み込んでみます。
“折れ線グラフ”は、小学4年生で学習をしますが、旧学習指導要領では、
「折れ線グラフの読み方/かき方」程度までの学習だったのが、
新しい学習指導要領では、「データの収集と分析」というテーマの元、
「折れ線グラフの特徴とその用い方」 として、複数系列のグラフを学習することになっています。
単純な折れ線グラフではなく、
2つ以上のデータを表した折れ線グラフを読み解いていくわけです。
小学5年生をみてみましょう。
(旧)においては、
「資料の分類整理」をテーマとし、
“円グラフ”“帯グラフ”を学習するにとどまっていましたが、
(新)においては、
”複数の帯グラフの比較”、そしてそのグラフが表す統計的意味と
その問題解決まで踏み込んでいく内容になっています。
ここでも、“複数”という、
つまるところ、考えることを求めている内容なことがみてとれますね。
そして6年生では、
いままで学習内容に入っていなかった「平均値」「中央値」「最頻値」などの
代表値について学習する内容に変更されています。
これは、いままでは中学1年で学習をしていた内容になります。
これらは当然ながら、AI革命の時代に即した学びの1つで、
何のためにデータを集め、集めたデータをどのように読むとくか、
そこから何を予測し、解決に役立てるかといった、
実社会で必要な“考える力”を養ってあげたいという意図がみえてきます。
計算そのものはある程度できないといけないことは変わりませんが、
計算はコンピュータが行う時代であることも事実で、かつ、人間より早い現実があります。
AIは、そのデータが導き出す意味も考えてくれるようになるでしょうが、一方で、
どのような目的で、何の予測がしたいかは、人間が命令するもの。
小学生から、データや統計を学習することは時代がもたらす必然ですね。
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