「科学分野の地位をふたたび引き上げる」STEM教育とは?

アメリカ合衆国、首都・ワシントンD.C. 2009年1月20日。聖書に左手を置いて大統領就任宣誓を行い、ここにバラク・フセイン・オバマ合衆国第44代大統領が誕生しました。

彼が宣誓の後、就任演説の中で語った言葉があります。それがーー「科学分野の地位をふたたび引き上げる」という言葉です。

この言葉を皮切りに、オバマ大統領はSTEM教育分野への支援を開始しました。今日、日本国内を含む、世界中でSTEM教育という言葉が大きく注目されたのは、この就任演説の言葉に端を発しています。

では、この「STEM教育」とは一体どういうものなのでしょうか?

科学、数学分野に重点を

STEM教育の「STEM」とは、以下4つの英単語の頭文字を取ったものです。

S=Science 科学
T=Technology 技術
E=Engineering 工学
M=Mathmatics 数学

すなわち、STEM教育をそのまま翻訳すると、「科学、技術、工学、数学に関する教育」ということです。要するに、理科・数学(算数)・技術(図画工作)を重点的に学ぶ教育です。

では、何故今「STEM教育」なのでしょうか?

複雑化する機械

「STEM教育」の話の前に、いったん20世紀後半の情報処理技術を振り返ってみましょう。第二次世界大戦時、今までの一定時間経ったら起爆する対空弾から、敵機に近づいた途端爆発するVT信管による防空性能の向上など、情報処理技術の有用性を実感したアメリカでは、大戦後すぐに世界初のコンピュータ「ENIAC」の運用を始め、それを皮切りにコンピュータが発展していきました。

研究室に置かれたコンピュータは、1970年代には小型化され、研究室を抜け出しました。この頃に出てきたのが「IBM 5100」や「HP-9800」などです。しかし、これらは非常に高価で、一般家庭はおろか大企業ですら限られた部門しか持っていませんでした。

1977年、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、「2人のスティーブ」により興ったアップルコンピュータのAppleⅡが販売され、今日のパーソナルコンピュータ(PC)の基本的構成が整い、PCの普及が促されました。

1980年代に入ると、日本では8ビット機である「PC-8800」シリーズ(NEC)、FM-8(富士通)などが発売され、テレビCMも打たれるなど、PCが一般家庭に知られていきました。そして1995年のWindows95発売以後、PCが一般家庭のリビングにでんと置かれるようになっていきました。


経済産業省 ホームページより

 

このように20世紀後半では、PC、コンピュータを多くの人々が触れることができるようになりました。

また、これらコンピュータの普及の裏では、多くの産業にてコンピュータが活用されていきました。身近なもので最も大きくコンピュータの登場で転換したものは自動車でしょう。

自動車やオートバイなど、ガソリンエンジンでは液体のガソリンをそのまま燃やしているわけではありません。液体のガソリンを気化させて、その気化したガソリンを空気と混ぜ、それをエンジン内にて圧縮、点火してエネルギーを得ています。

この気化させる過程にて「使われていた」部品がキャブレターと呼ばれるものです。エンジンが空気を吸い込む力を応用することで、いわば霧吹きのようにガソリンを気化させる部品でした。霧吹きにコンピュータがついていないように、この部品もコンピュータがついていませんでした。

ところが、コンピュータが普及し、自動車などにも活用されるようになると、このキャブレターは消えて無くなります。代わりに、「フューエルインジェクション(FI)」と呼ばれる、電子制御を用いて霧状の燃料を噴射する装置が登場します。

FIの登場により、自動車は冬の朝でもチョークを引いてエンジンを始動させるといった面倒なことが無くなりました。コンピュータの活用により、自動車はより手軽なものとなりました。

すなわち、20世紀後半以降の工業製品というものは、STEMの頭文字、科学(理論を作る)、技術(手段を作る)、工学(手段を用いて理論を現実のものにする)、数学(3分野全ての補助にして基礎)の4分野によって成り立ち、発展してきました。

この流れは21世紀に入ってますます盛んになりました。そのような時代の流れの中で、国としては国家の屋台骨である産業を同じくますます盛んにしなくてはならない。そのために、STEM教育の推進が世界中で叫ばれています。

語源に立ち返って学びの機会を

では、お子さんにSTEM教育についてどのように学んでいけるよう環境を整えればいいのでしょうか? STEMの言葉をもう一度見てみましょう。科学、技術、工学、数学。これらにお子さんが興味を持ってもらうことが大事なわけです。これらをもう少し細分化したものを、アメリカ国立科学財団はガイドラインに盛り込んでいます。それには、上の4分野のほかに、「社会科学」や「地学」、「天文学」などが含まれています。

STEMという言葉にとらわれず、「科学館にありそうなもの」といった言い方、「社会科学」という言葉を捉えると、「博物館にありそうなもの」という言い方さえ可能ですね。身近なところから、たとえば、科学館で開かれる「こどもサイエンスクラブ」などの名称がつけられたクラブに参加を促すなど、そういったところからSTEM教育を始めてみてはいかがでしょうか。

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