世界人権宣言第26条1には、以下のような宣言がされています。
「すべて人は、教育を受ける権利を有する。教育は、少なくとも初等の及び基礎的の段階においては、無償でなければならない。初等教育は、義務的でなければならない。」
また、日本国憲法第26条では、
「1項 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」
「2項 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」
と定められており、義務教育は納税・勤労と並んで国民の三大義務と称されるほど、重要視されています。それほどまでに重要視される義務教育の中に、2020年からプログラミングが必修となることが決定いたしました。ではなぜ、プログラミング教育が必修となったのでしょうか。
IT人材が足りない
税を納める行為と同じくらい大事だと見なされる義務教育であるならば、義務教育にも国にとって利益になる要素があると見てよいでしょう。その観点から見ると、プログラミング教育が義務教育に組み込まれた理由の一つが見えてきます。下のグラフをご覧ください。
経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(2016)より引用
プログラミング教育必修化の目的の一つは、IT人材の不足を補うことです。グラフから読み取れるように、IT人材は年を経るごとに人材の不足が拡大し、2030年には最大79万人もの人材不足となります。こうした状況を打破するため、IT人材を育成しようとプログラミング教育の必修化が決定しました。もちろん、小学校だけでなく、2021年には中学校、2022年には高等学校でもプログラミング教育の必修化が盛り込まれます。
第四次産業革命に備える
もう一つの目的に、「第四次産業革命」が上げられます。第四次産業革命とは、IoT(Internet of Things)、ビッグデータ、AI(人工知能)、ロボットセンサーの技術的躍進によって引き起こされる産業の変革です。
産業革命とは技術がカエルのジャンプのように急速に向上し、それによって制限が撤廃されることで時代が変わります。たとえば、第二次産業革命の主役、「電気」は電話・電報などによって、距離という制限の撤廃に乗り出しました。第三次産業革命の主役「コンピュータ」は、その処理性能によってからくり仕掛けのような機械式部品では実現が難しいことを可能にしました。
第四次産業革命の主役としてあげられるIoTとは、全てのモノがネットワークに繋がって、情報のやり取りが行えるようになることです。ビッグデータとはそうして繋がったモノから送られてきた些細な情報の集合体です。そしてAIはビッグデータなどの情報を人間とは比べものにならない規模で処理することができます。ロボットセンサーはこれら情報の取得機器となります。すなわち、第四次産業革命は「情報処理」能力の制限を乗り越えることになります。
プログラミング教育の必修化では、求めるものを実現するために、どのように必要なことを組み立てて実現するかという論理的思考力、すなわち「プログラミング的思考」というものを身につけられるようにと文部科学省はもくろんでいます。
「情報処理」に革命を起こす第四次産業革命が起こると、処理された情報をどう使うかという能力が必要となります。「情報処理」という言い方が悪いのですが、AIはあくまで一見まとまりのなさそうな雑多な情報から共通項を見いだし、まとめてくれるだけ、情報を整理してくれるだけです。その整理された情報から何を見いだすのか。その能力ーー「プログラミング的思考」こそがこれからの第四次産業革命を生き抜く武器となります。
プログラミング教育の必修化。これはIT人材の不足を解消する目的のほかに、第4次産業革命で大きく変わる世界を生き抜く力を得られるようにという希望が込められています。
各スクールレッスンで大好評!プログラミング脳を養う「西嶋式プログラミングパズル」
ステムアカデミーキッズ開発者の西嶋孝文氏によって考案されました。このパズルの対象者は小学校低学年~ご年配の方まで、幅広い方々が楽しめます。パズルを通してプログラミング思考を養い、プログラミングの考え方や記号の使い方を学ぶことはもちろん、考える力、論理的思考力、推理力、問題解決力、集中力などあらゆるスキルを身につけることができます。
ぜひ沢山の人に楽しく学んで頂き、これからプログラミングを学んでいくための素地となるパズルになっていけば幸いです。ぜひチャレンジしてみてください。
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※プログラミング脳を育てる「西嶋式プログラミングパズル」(c2019 StemAcademyKids Nishijima Takafumi)は、色・サイズ等を加工してご家庭や個人でご使用いただくことができます。但し、再販売・再配布を禁止致します。また著作権はステムアカデミーキッズ開発者に帰属します。商用利用をご希望の方は、ステムアカデミーキッズ事務局へお問い合わせくださいませ。