偵察から配達へ ドローンについて

 STEM Academy Kidsのカリキュラムではお子さんに最適なSTEM教育を届けられるようにできており、その学習の流れには多くの分野が盛り込まれています。その一つに昨今名前をよく聞くようになった「ドローン」が含まれています。

 しかし「ドローン」と言われても、イメージするのは下記のようなものばかりではないでしょうか?

(DJI公式サイトより引用)

 また、用途も「空から撮影」だけだと思っていませんか?

 今回は「ドローン」についてお話しします。

危険から人を遠ざけるために

 そもそも「ドローン」とは何を示すのでしょうか? 実はドローンという言葉自体は「無人航空機」という意味しか持っていないのです。そのため、ヘリコプター型だけでなく、翼を持った普通の飛行機型などもドローン、さらにいえば昆虫型や鳥型などの奇怪な見た目のものもドローンとなります。

 ドローンという言葉、英単語である「drone」からきていますが、この「drone」は「雄のミツバチ」という意味です。なぜ雄のミツバチ? と思われるかも知れませんが、ここにはドローンの歴史が絡んでいます。

 実は、ドローンという言葉は軍用機としても使われたイギリスの「DH.82 タイガー・モス」という練習飛行機の無人操縦バージョンが「クイーン・ビー」と呼ばれていたことからきています。クイーン・ビー=女王蜂から、転じて無人航空機全般を「ドローン」=雄ミツバチと呼ぶようになったのです。

 元々軍用機としても使われた航空機から名前がきていることから分かるように、ドローンもインターネットと同じく、軍事技術から発展して現在に至ります。第二次世界大戦中と意外と古くからドローンの研究が行われており、1970年代には実用化され偵察用のドローンが作られるようになりました。イラク戦争にて「民間人を誤爆」というニュースを覚えている方もおられるかと思いますが、そのとき使用された航空機こそが「MQ-1 プレデター」です。これも無人で操縦できることからドローンとなります。

 ドローンが実用化されるまで、偵察には有人、すなわち兵士の乗った飛行機などが使用されました。「我に追いつく敵機なし」との打電が残っている中島飛行機製(現・SUBARUや現・マキタなど)の「彩雲」と呼ばれる飛行機は偵察専用の飛行機です。軍隊において偵察は重要な任務であるため、このような専用機さえ作られました。

 しかし、偵察とは敵の様子や動き、地形をこっそり観察することであるため、発見された時袋だたきに遭う危険があります。そのような危険な任務に人員を送り込むのはできれば止めたいため、無人航空機が発展したのです。

幅広い分野に広がり、幅広い用途を持つように

 そのような形で軍事技術として開発されたドローンですが、1990年代に入ると民間に広がっていきました。無人である、つまり、人がいらないということは、有人飛行機を運用する際にかかるパイロットの養成などといったお金がかからないため、安く飛行機を使えるということからいろいろな用途が増えたのです。

 日本は2002年時点で、ある用途のおかげでドローンが世界でも多く使用されていたのです。それが「農薬の散布」でした。2002年時点で世界中のドローンのうち65%が日本で農薬散布に使われていたというデータからも、そのすごさが分かるかと思います。

 そしてさらに時が進んで現在、撮影機材の小型化などが進んだために、個人でもカメラをドローンに搭載することができるようになりました。その結果、ドローンによる「空からの撮影」が注目を集めるようになったのです。

 またドローンにコンピュータを搭載できるようになったおかげで、プログラミングをしておくことで人が操縦しなくてもプログラムに沿ってドローンを飛ばすことができるようになりました。これにより、通販大手のAmazonがドローンによる配達を検討するなど、ドローンの用途はさらに広がっていくことが予想されます。

種類が増えて手に取りやすくなったドローン

 現在、ドローンはスマートフォン部品との共通化などにより価格がぐっと下がったため、幅広い用途に向けた種類があります。

 農薬の散布など、産業や商業用に用いられるドローンなどにはGPS自律制御やプログラム飛行、自動帰還機能などが付与されています。

 対して飛行そのものを楽しむのが目的のホビー用のものでは、スマホ操作やアクロバット飛行などができ、かつ軽量化と低価格化を実現することで産業用・商用と差別化がされています。

 このように、ドローンは古くから存在する技術です。そんなドローンもコンピュータを搭載し、プログラミングによる制御を得て新しい分野に飛び立とうとしています。そんな新技術と古い技術が混ざるドローンだからこそ、STEM教育の入り口にぴったりなわけです。

(参考)
ドローンって何?
https://dronebank.jp/business/cat34_1/post_7.html
http://www.drone-world.info/what/

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